甘く温かい物が

私のことを包みこんでくれている…













「いい加減起きろ、おい」




戸井?!






帰ったんじゃなかったの…?



「お前が起きたから、俺帰るわ」




待って!

待って……



クラス違うし
明日になれば2人っきりには
なれない。






あと今日はたまたま
睦子は親戚の家に行くから
一緒じゃないけど…


ホントは睦子もいる。







2人っきりになれる
チャンスなんてあまりないじゃないか!




戸井に話しかけるんだ私っ!









「あ、あの戸井ぃぃぃー!戸井っ!」




「うるせぇそんなに
大声出さなくても聞こえてる」




だよねっ…


「で、なに?」





あ、
そうだった


「あ…えっと、、」





なにか言えっ私













「今日も空が青いね」




「青くねぇしもうオレンジだし」











え、あ……




よく空を見ると
夕日を差した空はオレンジだった。













「じゃあ俺帰るわ」










そう言って戸井は

去ってしまった。















なにをやっているんだ、




チャンスを逃してしまったんだ…。





















最悪ー…





















私は自分の家へ

ドボドボと足を進めて行った