普段から仲の良い双子だが、今は睨み合っている。


正確に言うと、亜砂が息を荒くして総司を睨んでいるのだ。


総司から目を話さず、亜砂は口を開く。


「総司、これは僕の任務。だから総司は口出さないでよ。」


冷たく突き放すような言葉は、総司の心に深く刺さった。


幼い頃からお互い片時も離れずに育ってきた総司と亜砂。


しかし今、亜砂が口にしたのは総司から離れようとする言葉だった。


呆然とする総司を他所に、亜砂は近藤と土方に一言告げると部屋から出て行った。




閉まった襖の音は、亜砂が総司の中から出て行ってしまったようでもあった。