場所は変わって局長室。
「近藤さん、亜砂です。」
近藤の返事を聞き、亜砂は部屋へと入った。
そのにいたのは、近藤と、いつの間にか瞬間移動した土方と、見た事のない男。
亜砂の視線に気づいた近藤は、その男について説明を始める。
「亜砂、こいつは観察方の山崎烝だ。あまり表には出て来ない役職だからな、会ったことはないだろう。」
「よろしく」
へらり、と笑った山崎に亜砂もよろしく、と返した。
山崎という男は、肩よりも少し長い黒い
髪をそのまま垂らしている女性のような男だった。
涼しげな切れ長の目と、男にしてはややぷっくりした唇が色気を醸し出している。
しばらく山崎を見つめていた亜砂だったが、近藤の声に我に返った。
