この少年(少女)の事はすぐに近藤、土方へと伝えられた。

"門に怪しい餓鬼がいて、局長と副長、それに沖田隊長を出せと言っている"と。

「ああ?どんな奴だよ」

これを聞き、鬼の副長こと、土方歳三は眉間に皺を寄せ、お決まりの表情で尋ねる。

すぐそばの近藤も首を傾げている。


それに門番の男は少々怖気付いたが、栗毛の、可愛いらしい奴です、と答えた。


栗毛、可愛い顔。


近藤と土方の頭にスッとよぎるモノがあった。心当たりありありである。



「なぁ近藤さん、もしかして」
「ああ、恐らくそうだろう」


奴が来た。


二人の思考は一致した。