朝食は味噌汁、米、漬物、という質素なものだった。
しかし、美味い。
質素な食事でも文句を言う隊士など、この組にはいないのだ。
「あー、たまには魚が食いてーよー」
一人を除いて。
はあああ、と溜息をついたのは、八番隊隊長、藤堂平助だ。
幹部の中でも飛鳥、総司と張り合うくらいの童顔だ。
因みに総司、亜砂、平助は隊士の中で女疑惑のある三人なのだった。(亜砂は実際女なのであながち間違ってはいない)
「よそ見してっと、魚どころか今ある飯まで食いっぱぐれるぞ〜」
そう言いながら、二番隊隊長の永倉新八が口に運んでいたのは平助の漬物だった。
しかも残っていたもの全てだろう。
それに漸く気付いた平助は言葉を失い、放心した。