翌日。
目が覚めた土方は、いつもと違い広間で雑魚寝しているのに気付き、大層驚いたそうだ。
無事部屋へと帰り、布団で眠ったのは一部の隊士と沖田兄妹のみなのだった。
「あーすか、入るよ?」
入るよ、と言いながら入ってきた部屋の主と同じ顔の人物は、どうやらご機嫌なようだ。
それに対し、その片割れは未だ布団の中で猫の如く丸くなっている。
「飛鳥ちゃん、起きて、見回りがあるよ」
今日が初めての仕事でしょ?と総司が耳元で囁く。
それでも尚、飛鳥はうーんと寝ぼけて唸るだけだ。
「そりゃ俺だって行きたくないよ?でもさぁ行かないと土方さんがうるさいんだよね。なんだろう、あの人。あんなに苛ついてるっておかしくない?更年期障害?早くない?」
「総司イイイイイ!!」
ドガン、と襖を思い切り開け、怒鳴り込んできた土方の顔面には次の瞬間、枕がめり込んでいた。
「うるっさぁい…」
もちろん犯人は…言うまでもない。
