【薩摩先輩side】

『山本くんは、高校卒業したらどうするの?』


『俺は一応進学かな。先輩はもう大学決まったんですよね?』

『うん!春には、女子大生よ』

そんな何気ない会話をする二人。しかし山本君は、たまにあたしを見なくて、別の方を見ながら話す


その目線の先には、本を直すサチちゃんの後ろ姿


『サチちゃんって、よくあんな高いところに居れるわよね~あたしには、無理だわ』



『先輩高所恐怖症ですもんね。あいつは、高い所好きみたいですよ』

そう言いながらも、不安そうにサチちゃんの方を見つめる山本くん


このことを知ってるからあたしはサチちゃんに、山本君は優しいって言ったんだけど、きっとサチちゃんは全く気付いてないのね


『ねぇ良いこと教えてあげよっか』

あたしは山本君にあることを伝えた



『それ…ホントですか?』




その言葉と同時に、後ろから本の落ちる音が聞こえた


【薩摩先輩side終】