『サッチ~!!』

いつもよりテンション高めに、詩織が飛びついてきた


『昨日見たぞ!山本先輩と帰ってたっしょっ』


そう言って、あたしのほっぺをツンツンする


『ちょっとは進展してんぢゃ~ん』


『そんなんぢゃないよー…薩摩先輩に言われたからだし、先輩あんまり話さないもん』

詩織はあたしが山本先輩を好きなことも、薩摩先輩のことも全部知っている



『あらっそーなの?ドンマーイ!もーすぐ誕生日なのに、今年も彼氏なしの寂しい日だね』


その言葉に、あたしは手帳を開く


『うっそ…来週ぢゃん…』

今年こそは、彼氏とラブラブに過ごしたいと思うのに…今年も去年と変わらない誕生日か…


『山本先輩に何か買って貰えば?』



『無理だよーまずあたしの誕生日すら知らないと思うし…』

『あらら…そりゃお手上げだね』


例え知ってたとしても、何もしてくれないと思うけど…


そう思うと、余計むなしくなった








こんな会話を聞いてる人がいたことに、あたしは全く気付いていなかった