門を抜けても先輩の速度は変わんなくて、自然と早足になる


『先輩っ先輩ーーー!!』


あたしの声に、やっと先輩の足が止まった


『あっわりぃ…』


そう言うと先輩はあたしの方に歩く


『先輩急にどーしたんですか?』


何か嫌なことでも、あったのかな…

心配そうに顔をのぞき込むけど、先輩は不機嫌そう…

『別に何でもねぇーよ。お前の家って、こっちで合ってんのか?』


『はいっ!この道真っ直ぐ行ったら着きます』


そう言って、また先輩と並んで歩く



でも無言のまま歩く先輩に、あたしは話題を探しながら辺りを見渡す。その時目に入った小さい雑貨屋さんの前で、あたしの足が止まった