『そろそろ帰ろっか』


時計を見てそう言うと、薩摩先輩は周りの資料などを整理しだした

けど、小説に夢中になっていたあたしは、薩摩先輩の声が聞こえていなかった











『おいっ、図書室閉めるぞ』


その声にハッと顔を上げると、すぐそこに先輩が立っていた。もう図書室には人の姿はない。先輩とあたしだけ………?

『あれ…薩摩先輩は?』

辺りを見渡すが、やっぱりあたしと先輩しかいない


『先輩ならもう帰ったよ』

…………………

『えぇっ!?!?!?』


てことは、今先輩と二人っきり!?



『声でけぇーつーの。さっさと帰るぞ』

そう言うと、先輩はドアの前で鍵をクルクル回している


『先輩一緒に帰ってくれるんですか!?』

あたしは驚きのあまり、勢いよく立ち上がったせいで、椅子を倒してしまった



『先輩にお前送ってけって言われたから送るだけだよ』

そう素っ気なく答える先輩に、あたしのテンションは急低下…

なーんだ薩摩先輩に言われたからか…


そう思ったけど、先輩と一緒に帰れることには変わりないんだと思い直し、飛び跳ねながら図書室を出た




二人並んで職員室に向かう

こーやって歩いてると恋人みた~いと思っていると先輩に

『お前なにニヤニヤしてんだ?気持ち悪いぞ』


と言われた