その日、久しぶりにあたしは誰もいない教室にいた


夕日が差し込み、オレンジ色に染まる教室で、隣の校舎を見上げる


そこには確かに彼の姿があった


でも…いつもの彼ではなかった

机に頬杖をついて下を向いていて……表情は全く見えないけど…とても寂しそうだった…



そこに薩摩先輩が近づいていき、何か話しかけた

前の彼なら、少し照れてはにかんだ笑顔を見せていたのに、薩摩先輩に向けた笑顔は、明らかに無理をした笑顔だった…


そんな顔…しないで…


彼の表情にあたしの胸は苦しくなって、教室を飛び出した