その時、
ーキーンコーンカーン…
タイミング良く、昼休みの終わりを知らせるチャイムが鳴った。
「あ…」
「…じゃ、行くか」
和馬はそう言って、私の手を取った。
学校内で手を繋ぐ事は初めてだった。
たまにするデートで繋ぐ事はあっても、
学校では絶対にしなかった。
私が学校で和馬のとの関係を見せつけると、
学校中の女子に目を付けられる事を、
和馬は知っているから。
だから避けてきたのに…
和馬はそんなこと気にするつもりは無いようで、
どんどん廊下を進んで行く。
生徒の視線が痛い。
女子はこそこそ何かを話している。
そしてとうとう、教室にたどり着いた。

