「篠原(しのはら)です。」



たった一言だけだったのにも関わらず、
クラスの女子はまた声をあげる。


「クール!!!超タイプ」
「やばーい!」


でも、私はそれどころでは無かった。


和馬は私を見たまま、
目線を外さない。


言わない。
…私は何も言わないから。

そんな顔しないでよ。