「…あ、そうだ。今日お弁当一緒に食べない?」 あたしが落ち込んで色々考えてて、思い付きで叫ぶと、随分と先を歩いてて。 どんだけ脚が長いんだ。 と、叫びたくなるくらい。 それでも彼は振り返ってくれて。 それが嬉しくて、あたしはいつも走って駆け寄る側。 「ねぇ、聞こえた?」 背の高い田坂くんの横に並んで、見上げながら質問した。 いつもは目を合わせるだけだったのに、この時はこくんと頷いた。