鶴木の家は、本当に公園の隣の隣だった。あたしの家の裏の隣の隣だから十分近所とも言えるのに全然知らなかった。

見た目はこの辺で一番ありきたりなデザインの家だった。
「上がってくか?」
って言われたけど、遠慮して公園に戻った。

「はあ〜…」
次こそブランコに座る。同時に鶴木が大きなため息をつく。
「…どうかした?」
「いや… あ~もう!なんかなあ」
突然消化不良みたいにむしゃくしゃしだす彼。
「何。なんかあんの?」
「……そういやさあ、波多野、兄弟とかいるの?」
「本当どうしたのいきなり、弟いるよ。中1の。鶴木は?」