この前鶴木と行ったらしい。正確には、鶴木を強制連行した。鶴木は酒が飲めないから。

強制連行されたうえ、酒が飲めないことを永冨と宏樹君に馬鹿にされた鶴木の話を聞いたときにはさすがに可哀想になった。

「いらっしゃ…あれ、お前かよ」
「また来たぞ」
「ん、さんきゅ…あれ、連れ付き?今日は将馬じゃないんだ」
「亜矢と柚琴。」

宏樹君と喋ったことは2、3回。ないに等しい。彼はあたしたちをちらっと見た。
「知ってるけど。注文は」
「ビール3つ」
「ちょっと!うちチューハイ!」
「あたしはビールかな」