帰ろうと思ったとき、相手がぱっと顔を上げた。
「あっ………」

ん?あたしと同い年くらい…?いや、もうちょい下かなあ。結構整った顔立ちしてる男の子だった。この辺の人なのかな?

彼は何事もなかったようにまた下を向く。
帰ろう。これは絶対帰った方がいい雰囲気だ。なんだったんだろう、あの人。あんなところで……と思うくらい物騒な場所だった。夕方ってこともあるのだろうけど。

でも、公園あるんだね、しかもこんな近くに。あっちの方に行くと通りに出るってママ言ってたよね。
行ってみようかと思ったけど、もう暗くなるし、迷子になると困ると思って、また日を改めることにした。