「うん。…じゃあ」
そう言って、1秒も経たないうちに行ってしまった。
え、なに、あたしの名前わかったってこと?てかあたしが団地ってことを知ってるの?あの時の公園で会ったって覚えてるの?

「っあ!ちょ、待って!」
あたしは地面に転がった鞄をとって急いで追いかけた。

「何?」
しらじらしいとも言える微かな笑顔。その意外さにあたしは言葉を失った。
「…いや、だからその、…これどこに落ちてたの?」
ついどうでもいいことを聞いてしまった。
「んーと、昇降口の階段?」
いや、どうでもいいんだよ、別に知りたくないんだよ、あたしが知りたいのは…