着信 手塚直樹

ー…直樹じゃん!めずらしい!
ねむいけど…でようかな…。

目をこすりながら少し考えたあと菜津音は携帯を手にとった。

「ん、もしもし…」
「おう菜津音?寝てた?」
「いや平気だよ」
「あのさぁ俺もう別れたいと思うんだけどどう思う?」

突然のその言葉に菜津音は戸惑っていた。どうするべきなのか、どうすることが1番よくなることに繋がるのか必死に考えた。

「…なっちゃん?」
「あ、えと…直樹がそうしたいならいいけどあたしは別れたくないよ…」
「あーうん、じゃあ別れよっか」

ー…本当に?彼氏じゃなくなるの?

「わかったー」

ー…嫌だよ、嘘だよ。

「じゃあおやすみー」

ー…あたし

「おやすみー」

ー…あたし、別れたくないよ?



ツーツーツー…