ー2013年 4月ー

朝は、大嫌い。
理由はとてつもなく簡単。

真新しいブラウスに袖を通し、ピンク色のカーディガンを羽織る。
胸元にはイチゴミルク色のリボン。
それとお揃いのスカートを折ってから履き、
チョコレート色のブレザーを羽織る。

「お姉ちゃあ~ん!!なんで起こしてくれなかったのおー!!」

すでに、半泣きで階段をかけ降りる。

「起こしたよ、でも泣いてるし強引にはむりだったの!」

朝ごはんを並べながら、お姉ちゃんが言う。

ちなみにママは、モデルのお仕事をしているから、一年中空を飛んでる。
パパは神社で一日中、陰陽道を研究してるから朝はいない。
お姉ちゃんとは、年が離れてて、いまは家政科がある大学に通いながらわたしのお世話をしてくれてる。

そして、みんな美男美女。

「こら、めい!ご飯は食べなさいよ!!」

無理、むりだもん!
また、眠いのにって怒られる…
なんて、思っていたら、

ピンポーン

…きたあ~、きちゃったよう。
涙目でお姉ちゃんを見る。

「はあ~、全く…
めい、あたしが出るから食べてな?」

そう言い残して、リビングを出ていく。

「あ、そらくん、毎朝眠いのにごめんねー
ほら、今日も寝てきな。
理事長には、二人ともうまいこと言っとくからね。」

お姉ちゃんの声と共に、優しくて安心する声が混じる。
でも、朝は!!
恐怖でしかないの!

「めい、おはよお(´・ω・`)」

垂れ目がちな潤んだ瞳。
さらさらしてるのに触るとふわふわな髪の毛。
華奢な体つき。
身長だってわたしのほうが大きい。

「あさは、ねむいの…
ソファ、借りるねえ…」

わたしが話すまえにすうすうと寝息をたてるそら。

「お姉ちゃん…」

「なに?」

「もお、朝なんて嫌いー!!」

今日もわたしの涙の一日が始まった…