「冷蔵庫にある適当なもので作るぞ」 『うん』 「そこに座っときな」 キッチンの前にあるテーブルを指差した 沙紀は椅子に座ると部屋を見回した 『(義父さんってなんの社長なんだろう、それより名字がわからない…)』 『圭人』 「なんだ?」 『玄関に表札ってあった?』 「……名字知らないのか?」 『何も教えてもらえなくて』 「北野」 『……え?』 「名字、北野」 『あ…はい、あ、どこの会社の社長さんですか?』 「親父?…だよな、楽器屋の社長」