何がどうなってるかわからないまま…私と母と私以外には犬に見えている狼を乗せたまま車はまるで何もなかったかのように滑走していく。
――まあ久しぶりの再会なんだしそんなに嫌がるなよ!!
まんざら俺達を忘れていた訳でもなさそうだし……。
ふてぶてしく銀狼の奴は犬みたいに欠伸をしながらシートにくつろぎはじめた。
―――死んだと思ってた…。
それにしても急すぎる登場は心臓に悪い…。
――まだその様子だと…あれは目覚めてないようだな。
銀狼の言葉に私は――あれ…?と問い返すと彼はしたり顔で答えた。
――飲み込んだ化け物の尾…。

