久遠の剣客




母の言葉に無理やり鼻先で私を押して颯爽と車の後部車両に乗り込む銀色の狼…。


先程の銀色で覆われた景色もまるでなかったように今は何もかも元通りになっていた。



―――事故は??



「事故???

あっー!!

事故なんて大袈裟なもんじゃないわよー!!

前々車両が信号に気づくの遅くて急ブレーキかけたのにうちの前の車両が危うく急ブレーキかけただけ……!!!


それよりこっちが驚いたわよ!!

いきなり忠犬ハチ公の銅像めがけて走ってゆくんだもん!!

そんなにみたかったの?」