――嘘よ……!! だってさっきもいつも夢の中で見るだけで……!! 目の前の銀狼が信じられずに私はうろたえる。 ―――嘘だと思いたいのは…こっちだぜ!! お前のおかげで何千年も前からこの姿のままだ!!! 銀狼の発してきた言葉にただ驚いて後退すると……。 ――ビビッー!! けたたましく車のクラクションがなった。 「―――久遠………!!!」 血相抱えた母が悲鳴にも近い声で立ち寄った。 「どうしたの?? もう銀がいなかったら危ないとこだったわ……!! ありがとう……!! 銀―――!!」