母の言葉に『大丈夫!少し眠る‥!』と手話で伝えシートを少し倒してまぶたを閉じる‥。 すぐに眠気がきて私は強烈な血の匂いに気づく‥。 気がつくと目の前に‥白銀の鬣の狼がしきりに何かを訴えていた。 でもなんだか遠くて聞こえない‥。 ―――俺の名は‥‥!! けたたましい牙を向けられて絞りとるように聞こえてきた言葉にハッ‥と目が覚めたのと母が急ブレーキをかけて停止したのと同じで私は飛び起きた。 「大丈夫????」