久遠の剣客



―――今朝の夢…そうあの母上が殺された場面を想いだすんだ…。



湯船にはったお湯をバシャバシャと顔に叩きつける。


どんな風に弾いていたのかどんな風に思っていたのか…前と同じようにやろうと思っても出来ない。

思い出せない―――。


その変わり膨らむ銀狼への募る想い…。


この想いには気づいてはいけなかったんだ…。

忘れるほど強い強烈な想い…。


何かを考えれば考えるほど…泥沼にハマっていくのを感じて途方に暮れた。



結局…サッパリもしないままお風呂からでて重い足取りで階段をのぼり部屋の前に辿り着いた時中から二匹の声がした。