―――かあさまぁっ……!!!


私の家が思い出が燃やされる………。


人間達が逃げまどうなか小さい私の手を握りしめ私を抱えながら走る伽耶の母。


あの日の煌々と燃える炎がいつの間にか私の希望の灯火となっていった…。




―――今は帰らぬあの遠い日々。


敵をなぎ倒し兄が帰ってきた………。


―――翼駿!!
この子を―――!!

後ろに二胡を背負ったまま小さな手を伸ばす。


「母上!!」



苦悶の表情で馬に乗る兄に私を預けて遠くなっていた母の最後は首に剣で手をかけ井戸の水面に消えた…。


あとは…炎の火柱が高く赤くつのる………。