『―――久遠!!!』


『―――久遠さん!!!』



ぼんやりと濃厚な霧がかかる向こう側から声がふってきた。


―――起きろ!!



身体を揺さぶられる感覚がして私は腕を強引にとかれた。



―――銀狼…?…鷹?



ぼんやりと心の中で名前を呼び確認する視界に一瞬だけど…光になぞらえてうつった人影が明るく形どり視界に飛び込んできた。


一瞬だけ…ほんとに一瞬だけど光に染まった瞬間…彼らの顔形を縁取った人影をみた気がしたけど…目が慣れたらいつもの銀狼と鷹が見下ろしていた。