泣いている人を放っておけないヒーロー気取りの俺は、そんな葵を通り過ぎるはずがなかった。 すぐさまいじめっ子を追い払って、葵の柔らかな髪を撫でてやった。 そのあとに見れる葵の笑った顔がすきだった。 『哲ちゃん、ありがとう!』 葵の小さな掌を握りしめながら、絶対この子を守ると誓った。 誰よりも泣き虫なこの子を。