「で、どうゆう接点があって翼と葵は急に友達になったんだよ?」 哲が不思議そうに首を傾げる。 「図書室でオススメの本を教えてもらったんだ、な?」 「…う…うん」 教室の騒がしさにかき消されてしまいそうになるくらいの微かな小さな声で原田さんは頷いた。 「へー。葵ってまだ本すきなんだ」 俺の知らない二人の思い出があるという事実を痛感する。