「ハハッ。なんか久しぶりすぎて若干照れるなぁ…」
なんて言いながら哲はいつもの優しい笑顔で鼻の頭をかいた。
「………」
原田さんは堅い表情のままそんな哲を見ている。
久しぶりで緊張、してるのかな?
「いいよなー。幼なじみって。俺そういうの全然いないからさ、羨ましいよ」
「あー。そういえば翼って引っ越し繰り返してたんだっけ?親の仕事の関係とか?」
「……あ、うん…そう」
俺は哲のことが好きだけれど、哲に言えないことがいっぱいあった。
哲に嘘ばかりついているくせに“好きだ”なんて言ってる。
その理由は
好きだから、なんて言うのは調子イイだけと思われるかな。
笑う俺を原田さんがジッと見ていた。



