「え?幼なじみなの?」 きっと俺はそのとき相当な間抜け面をしていたと思う。 声もまた、同じくらい間抜けだった。 そんな俺をよそに哲はなんでもないみたいな涼しい顔して笑ってる。 「そうだよ」 「え?まじ?初耳なんだけど」 「だって初めて言ったから」 言われるまで全く気付かなかった。 幼なじみって言えば他人より穏やかな雰囲気のイメージだったけど 哲と原田さんはまるで話さないし(この半年で話してるところはみたことない)、その辺で騒いでるクラスの女子よりも遙かに遠い存在のようだった。