その痛みに気付かれないように笑う。 「翼、本なんて読めたのかよー?」 「読めるし!……いや読めなかったけど……」 「ハハハ。どっちだよ」 「あと俺、初めて原田さんと喋ったよ」 心臓が壊れそうなくらいにドクンと鳴った。 教室の音がやんで、翼の言葉と俺の意識だけが残った。