続いて教室のなかにはいってきたのは翼だった。 入ってくるなり何人ものクラスメイトにちょっかいをかけられている。 「おっ!翼じゃん!またどっかでサボってたのかー?」 「翼はサボり魔だもんねー」 「だって午後からってやる気でなくない?」 「翼の場合、朝もいないじゃん」 「ハハハ」 輪の中から翼がヒョイッと抜けて笑顔で俺の机のほうへ駆け寄ってくる。 まるで子犬だ。 「お前、どこいってたの?」 「あー、図書室」 「図書室?」 胸の奥がズキンときた。