ふと時計に目をやると、針は3時15分を指している。
「うっわ!!!5限目終わってるじゃん!!!」
「ご、ごめんなさい……起こしたほうがよかった?あんまり気持ちよさそうに寝てたから……」
原田葵が真っ青な顔でオドオドしながら言った。
俺が気にしてるのは原田さんの方なんだけれど……
いつもまじめに授業を受けてる原田さんをサボらせてしまったのはたぶん俺が寝ていたせいだ。
だけど原田さんは寝ている俺に気を使ってくれたうえに、起こさなかったことを謝っている。
優しいひとだということが彼女自身から伝わってきた。



