榎本君はその本を手にとって開いた瞬間、絶句した。 「字、細かッ!!!てゆうか言葉難しすぎて読めねーよ!!!」 あたしは苦笑する。 「すげーな。原田さん。こんな本読めるんだ」 自分の顔が熱くなったのを感じた。 「えっ榎本君だって難しい本読んでるよね。これって心理とか精神の専門書?」 あたしが榎本君の肘の下で開かれた本に目をやると榎本君は慌てて本を閉じた。