「本当にみんなに知らせなくていいの?」 あたしは翼くんの見送りのため空港にきていた。 「うん。いいんだ。みんなは先生からきっと今頃聞いてると思うし」 「……でも、哲は…」 そう言うと翼くんの顔が一瞬淋しげに曇るのがわかった。 「いいんだ。原田さん今までありがとう。原田さんがいなかったら俺たぶん哲への気持ちなかったことにしてた。でも今ではなかったことにしなくてよかったって思うんだ」