哲の声に男たちは我先にと哲を押しのけて逃げていった。 「大丈夫か?!」 哲が俺を縛っていた縄を急いでほどく。 「委員の仕事が終わったから帰ろうと、教室に鞄とりにきたんだ。そしたら此処からお前の叫び声が聞こえたから……無事でよかった!」 哲が俺を抱きしめた。 その温度に安心して涙がでそうになる。 「………ありがとう」