沈黙した図書室。 何も聞こえない 古い本の匂いがする。 原田さんは、ゆっくり口を開いた。 「気持ち悪いなんて思うわけないじゃん。あたしは翼くんのこと見てたもの。哲ちゃんのことがすきな翼くんのこと、ずっと見てたもの……すきだから」 柔らかな風がカーテンを揺らし、そこから陽の光が差し込んで原田さんを照らした。