ガラガラと誰かが教室を出ていく音がして、3人の視線が何気なくドアのほうに向けられる。
静かに出ていったのは大人しそうな女の子。
「あー、原田葵さんだー。図書委員かな?まっじめだねー!美優だったら絶対無理!」
「あ、図書委員……」
俺はポツリと呟く。
「原田さんとか全然喋ったことないや。あの子根暗っぽいしー」
哲がコツンと美優の頭を軽くこついた。
「人のこと何も知らないでそういうこというなよ」
図書室……
もしかしたら俺のココロについて何か解明できるかもしれない。
「あ、俺……ちょっと図書室いってくるわ!」
「あ、ちょっと翼?!」
半ば強引気味に教室を飛び出していった。