「あっ。哲だ…」


クラスメイトの声に自然と体が固くなる。

鼓動が早くなる。


クラス中が、哲を見ていた。


哲は何も言わず、席についた。

目も合わせてくれなかった。



“おはよ。翼!”


あの頃の声が愛しい。
もう戻れない。
取り戻せない。


いつも見ていた後ろ姿が遠い。

もう俺たち友達にすらなれないのかな。