翼が……?
………俺のことを?
「同情するぜ。親友だったのになー」
そうだ。親友だ。
翼といると楽しいし
落ち着く。
安心できる。
「でもアイツ顔可愛いしお前ら付き合っちゃえよ!」
「ギャハハハ!」
外野の笑い声が遠くで響いている。
翼との思い出が鮮明に蘇ってきては消えていく。
何がほんとうで
何がうそだ?
それとも初めから
そんなものどこにも
どこにも……
「マジ気持ち悪いよな」
「翼どこいったんだろうね…」
「ありえなーい」
「もう一緒にいたくないよな」
たくさんの声がだんだん大きくなって頭の中で強く響きだした。
頭が痛い。



