そのときガラリと教室の扉が開く音がした。


「あっ哲!翼がお前のこと好きだってー!」


1人の男子生徒の声に続いてみんながゲラゲラと笑いだした。






耳を塞ぎたかった。
目を閉じたかった。

いっそこの瞬間、消えてなくなってしまいたかった。

哲が何を言うのか、どんな顔をしているのか


振り返るのが怖くて、何も考えずに教室を飛び出した。


「翼くん!」

原田さんの声と教室の爆笑が後ろの方で響いていた。


すれ違いざまに哲と肩がぶつかった痛みが、生々しいくらいに痛くて

痛くて。





もう血だらけだ。