翼くんは気だるそうに顔をあげて、虚ろな瞳をあたしに向けた。 「翼くん、ここにいたんだ」 安堵のため息をついて翼くんの隣に腰をおろす。 「なんで俺を探しにきたの?」 翼くんは膝を抱えたまま不機嫌そうにぼそっと小さく呟いた。 「誤解をときたかったから」 「誤解?誤解じゃねぇだろ。アレは真実だ。哲は確かに俺の手を離して原田さんを呼んだんだ」 翼くんは乱暴に吐き捨てるように言った。 自暴自棄にたどり着いたような荒んだ姿。 その不安定さを見ているだけで、息が詰まりそうになる。