哲ちゃんを見ると優しい記憶と恐怖の感覚が入り交じってどうしていいのか分からなくて ずっと逃げていた。 だけど翼くんの涙をみて ──あんなに綺麗な涙を始めてみたから 終わらさなければいけないと思ったの。 誰よりも優しくて そして誰よりも脆い ふたりの男の子のために。 そして 泣くことしか知らなかった、あの頃の小さなあたしのために。