「じゃあ、ちょっと担任の先生に連絡してくるから。あなたも早く教室に戻りなさいよ」 ドアが閉まる音が狭い保健室の中にやけに大きく響く。 白い鉄パイプのベットに近づくと、いつもの焼けた肌の面影がないくらい青白い顔をした哲が小さな寝息をたてながら眠っていた。 ──過度な疲労 ごめん……。 ……何も気付いてやれなくてごめん。 哲の頬に触れると、暖かな体温が俺の掌に鮮明に伝わってきた。