「どういう……意味?」 翼くんは不安げに大きな瞳を揺らして、あたしの顔を下から覗きこむ。 あたしは泣きたくなるくらい愛しいその顔にそっと微笑んだ。 「……哲はある日突然変わったんだ。まるで魔法をかけられたみたいに。あたしはその魔法をといてあげることができなかった……。変わった哲が怖くて逃げ出した」 あの恐怖は拭えないけれど 哲のほんとうの姿を翼くんが思い出させてくれたから。 「……翼くんなら、きっと大丈夫だよ」