薄暗い図書室に陽の光が射し込むのは、たぶん翼くんが此処にいるから。 もし違うなら、それはあたしの視界のせい。 まぶしいんだ。 目を塞ぎたくなるくらい。 “逃げたくない” と言った言葉が何度もあたしの耳の奥でこだまして放れなかった。