本当の地獄はもっと暗くて、もっと深くて、あたしの首を力一杯しめつけた。
あたしと付き合いだして哲ちゃんの様子は少しずつ少しずつ変化していった。
「葵、俺、今日は部活で遅くなるけど絶対待ってろよ。絶対だぞ」
いつも待ってるのに哲ちゃんは怖い顔して念をおす。
「葵、さっきアイツと何話してたの?」
委員会の日程を教えてもらっただけなのに。
「なんで俺以外のヤツと話すんだよ?!」
誰もいない帰り道、哲ちゃんはあたしを怒鳴る。
「葵には俺がいればそれでいいだろ?」
繋いだ手は徐々に力を増していく。
痛いくらいに。



