小さなゆびわ

そうだ＿＿＿＿。
真実のイジメを失くせたら、付き合えばいいよね…。

週末は、作戦を練って練り続けた。

「おはよう、真実！」
「ふぁ、おはよー」
よし＿＿あたしの次の一言は決まってる。
「あたし、今日、バスケ部の見学してもいい？」
これで、バスケ部の様子を見よう！
「え？うん、いいよ」
よっしゃ、作戦は、順調…♪
作戦は、カンタン。
見学を続けて見張る。
イジメがあれば説得、無ければ完了。
うぅ～ん、完璧。
さぁて、あとは、放課後になるのを待つだけ！

－キーンコーンカンコーン－
「結梨、行こう」
うん、よぉし、レッツゴー！

「ここであたし、着替えていくね。先行ってて」
あ…、そうか。
「うん、分かった」

「ごめんごめん」
あれ、ユニフォームじゃなくて、体操服…？
「ユニフォームは？」
もしかして、捨てられちゃった…とか？
「い、今、洗濯…」
「あ、そう、なんだぁ…」
本音聞き出すのは難しいか。
体育館の隅っこで見ていた。
特に異常はない…。
そう思った時だった。
「この、のろま！！」
突き刺すような高い声を聞いて、声の主を見た。
間違いなく、この前会った人。
「アンタのせいで、負けたのに！反省しなさい！ちょっと来て」
やばい…！
イジメだ…！あわてて、追いかける。
のぞいていると、更衣室のロッカーに真実を閉じ込めている。
「ちょっと、何してるんですか？」
あたしが入っていくと、ヤバっという顔をした。
「うるさいわね！」
何、それ…！
「正確には、私が文句言われる理由ないですよね？」
まじめに返したのに。
「はぁ！？」
と言われてしまった。
ドンと突き飛ばされて、背中を打つ。
起き上がろうとした。
「アンタもね、しつこいのよ？真実がそんなに大事なら、アンタが真実の分まで受ける？」
「えぇ？」
どうゆうこと？
「も」ってことは、あたしが二人分…？
「ほら？いいんでしょ。早くしないと真実がどうなるか分かってんの？」
ひ、卑怯者…。
「何か言ったぁ！？」
きゃぁっ！